生理障害と対策

    07/09/10


  裂  果

 果実が成熟期間際になって不規則にひび割れを起こし,やがて落果する。

 品種によっては,果梗部に近い部分からひび割れを起こすものもある。原因は明らかでないが,ホワイトやハニーハートでは成熟期が気温の高い場合に発生が多いこと,また晩秋になって夜間に5℃以下に下がり昼夜の温度較差が大きくなると発生することもある。

 除去していたハウスのビニールを被覆すると急激に発生することなどから,たぶん成熟間際の急激な肥大に伴う果実組織の亀裂からくるものと思われる。

 ヨトウムシなどに食害された果実は,成熟間際になると殆ど裂果する。スペインのチェリモヤ産地では,成熟期の雨後によく裂果が発生するといわれている。

 こうしたことから,チェリモヤは成熟期になると極端な温度較差が起こらないように,また土壌水分の急激な変化を与えないように管理する必要がある。また,ホワイトやハニーハートなどでは,成熟期の温度が25℃以上にならないように,受粉時期を調節する必要がある。

裂果した果実

 

 

 

 

 

 

  黒変果(ヤニ果)

黒変症状  果実が第1次肥大盛期に入った6〜7月頃に,果面にヤニを分泌し,やがて果面の相当部分が褐色に変わる。その部分は肥大せず,後に木炭のように黒変,乾固する障害である。

 樹勢の強い若木時代に発生が見られるが成木で樹勢が落着くと発生が少なくなる。

ヤニ果の初期症状  黒変果は,健全果に比べてカルシウムが明らかに少ないことから,カルシウム不足の疑いがあるが,それが直接原因かどうかは今のところ明らかでない。ただ,チェリモヤの果実は,カルシウム含量が著しく多い特性をもっていることから,カルシウムが不足しないように,土壌PHを調査しながら石灰類を十分施用する必要がある。

 

 

 

 

  マグネシウム欠乏症  

 盛果期に入った樹で,果実の第2次肥大期頃から成熟期にかけて葉にクロロシス(写真)が発生し,果実肥大に影響する。

 土壌中にマグネシウムが不足している場合が多いので,苦土石灰など,マグネシウムを含む土壌改良資材を施す。苦土石灰は,毎年冬季の中耕前に施して土壌によく混和する。
 なお,土壌にマグネシウムが十分含まれていても,カリを多用するとマグネシウム欠乏を起こすことがある。これは,マグネシウムとカリは拮抗作用をもっているからである。

マグネシュウム欠乏症
奇形花

奇形花

 花蕾が開花前から花弁と花弁の間に隙間ができ,雌しべが外気に触れて乾燥するので,受精不能花になる。

 樹勢の強い樹で,また開花の早い花にこの現象をよくみかけるが,その原因は明らかでない。奇形花は見つけ次第,摘蕾してその新梢に他に花蕾がない場合は摘芯・摘葉を行なって2次伸長で健全な花蕾の着生を待つしかない。2次伸長枝に着く花蕾は奇形花になることは少ない。

果実の低温障害

 果皮に大小さまざまな黒褐色のシミが生じる。

 冬季に果実が樹上で,または収穫後に8℃以下の低温に長時間さらされると発生する。

 収穫終了までは,低温障害の発生しない温度に保温する必要がある。

 また,追熟前の果実を冷蔵庫に長時間保存した場合にも発生し,その後追熟適温に戻しても正常に追熟しなくなる。8℃以下の低温保管は禁物である。

果実の低温障害(クリックで拡大表示します)

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7.栽培ハウスとその管理 8.病害虫の防除 9.生理障害と対策
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