チェリモヤの故郷と仲間たち   

07/09/10


 チェリモヤは,南米のペルー,エクアドル,コロンビア南部にかけてのアンデス山系の標高1,500〜1,900mの高地で生まれたトロピカルフルーツです.

 先年,私はその原生地を訪ねて歩きました.赤道直下の熱帯とはいえ,日本の夏よりは遙かに涼しく,厳しい冬の寒さもないところです.雨季,乾季はありますが,年中日本の4月のような気候で,朝夕は霧のかかっているようなところです.

 

原産地アンデス(エクアドル:Puellaro)の 
チェリモヤ散在樹migisankaku.gif (915 バイト)

標高は2,000〜3,000m,山々はいつも雲がかかっている.

チェリモヤの故郷 アンデスの山々

 

原生地アンデスのチェリモヤ大樹  hidarisankaku.gif (913 バイト)原産地ペルのーRimac川沿い(リマ)のチェリモヤ大樹

 

  チェリモヤは,熱帯,亜熱帯に広く分布するバンレイシ科,バンレイシ属の亜熱帯果樹で,学名をAnnona Cherimola Mill.といいます.チェリモヤ(Cherimoya)は英名ですが,語源は原生地ペルーの現地語のChirmoyu(冷たい乳房)からきたものといわれています.
  属名のAnnonaは,ラテン語で「年中採れる」という意味があり,中米ハイチの地名,Anonに由来するともいわれています.だから,原生地のような生育に適した気候のもとでは,「年中収穫できる乳房状の果実」というところからきたものと思われます.

 日本でも,冬に暖房栽培すれば次々と花が咲き,わかやまTropicsのチェリモヤ温室でも年中収穫できることは実証済みです.

 

 

バンレイシ(番茘枝)

バンレイシの果実

エクアドルのTUMBACO試験場の50年生チェリモヤ大木hidarisankaku.gif (910 バイト)エクアドルのTUMBACO果樹試験場の中庭に植えられている50年生のチェリモヤ大樹

 試験場が開設されたとき,この付近の農家の果樹園から移植,記念植樹したという.

 ここでは,スイス政府の援助でチェリモヤの品種選抜を中心に研究プログラムが推進されていました.


 チェリモヤの仲間には,中央アメリカ,エジプト,インド,東南アジア諸国で栽培されているバンレイシ(別名:シュガーアップル,スイートサップ,釈迦頭,または仏頭果)や,東南アジア,ベネズエラなどで栽培されているトゲバンレイシ(Soursop,別名:オランダドリアン)とは同属です.バンレイシ属の果樹にはこのほか,牛心梨(Bullocks heart),イラマ(Ilama),ポンドアップル(Pond apple),ロリニア(Rolinia)などがあり,いずれもチェリモヤの仲間たちです.

 バンレイシにチェリモヤを交配して育成したハイブリッド種に,アテモヤ(Atemoya)というのがあります.バンレイシの別名アテスとチェリモヤの合成語です.チェリモヤに比べて夏の暑さに強く,気温の高いオーストラリアやアメリカ南部のフロリダの気候はチェリモヤ栽培に向かないので,アテモヤを栽培しています.

 

チエリモヤとバンレイシの交雑種アテモヤ(Atemoya)

アテモヤ果実

牛心梨(Bullock's heart)

トゲバンレイシ(Soursop)

牛心梨の果実 トゲバンレイシ果実

  チェリモヤの故郷アンデスは有史以前からインカ王国だったが,スペイン人が侵入して皇帝を倒し,植民地にしたことから,チェリモヤは早くからスペインに移入されました.

 そして,ヨーロッパやアメリカにも渡り,それぞれの国で改良が加えられ,いまでは多くの品種が生まれています.

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